不動産賃貸業の営業スタイルの変化
他の業種もそうですが、ここ近年、不動産の営業スタイルが急激に変化しているように思えます。
一昔前、携帯電話やパソコンが一般的に普及する以前は不動産営業といえば新聞の記事下の三段に乗せたり、トレース用紙を使って、油性ペンで間取りを手書きしA4やB5の広告を作成、それらをカッターシャツをインクで汚しながら、自分たちでものすごい騒音の出る輪転機で印刷し、夜中に刷り終ったものを折り込み業者に届け、各新聞に折り込んでもらっていました。1~2万枚のチラシを性能の悪い輪転で刷るため、きっちりと出力の所の調整がつかず、ちょっと目を離した隙に、輪転室が花吹雪のようなチラシまみれになった経験のある営業マンも少なくはないんじゃないでしょうか?(笑)
そんなこんなで悪戦苦闘しながら集客を図り、やっとの事でお客さんから反響のお電話を頂くとお店までご来店頂き、一緒に車で物件を何件か見て頂きます。案内の途中にも上司に報告を入れないといけないので、近くの公衆電話からお客さんの状況などを報告し、また案内に戻ります。案内が終わりましたら、お店に戻り、物件の絞り込みをし、もしその日に成約しなければ、気に入った物件の資料をコピーし持って帰って頂きます。
それで終わりかというとそうではなく、案内した物件が他業者管理のものであれば、鍵を借りているので返しにいき、手応えの報告をし、帰社いたします。で、検討した結果、契約頂くかお断りされるかまで、営業電話をかけるのです。
ついこの20年位前までこーーんなに手間を掛けてたんですよーー。。。
これで、手数料単価の低いものだったら、ほんとに割に合いません。。
ほんの一昔前まではこんな状態で営業していたのに、携帯電話とインターネットの普及で急激に源泉活動や営業活動がスピード化されました。
チラシの作成なんて、簡単に間取りが描けるソフトが出ていますし印刷機の性能もより向上してます。ランケーブルでパソコンと輪転機を繋ぎ、セット完了!後はパソコンでエンターキーを押せばずれることなく粛々と印刷してくれます。なんて便利な世の中なんでしょう。さらには、そのような作業の時間すら有効利用しようということで、営業マンには営業活動に専念してもらい、作業自体をアウトソーシングでお願いする企業もあります。特化した専門業者も増え、良心的な価格で請け負ってくれるところがたくさんあるので、払った分以上に営業マンが手数料を稼いでくれればいう事ないですね。
こんなに恵まれた環境の中で営業活動に専念できるのは羨ましい限りですが、なぜか昔からあまり営業一人頭の数字のノルマは変化していません(笑)本来であれば明らかに現在の営業マンの方が売り上げを上げないとおかしいんですけどね。まあ、バブル崩壊後に下がり続ける地価に対する手数料の下落を現在の利便性で補っているということにしておきましょう。世の中のこれを読んでいる経営者も、決して営業マンがこの利便性の上に胡坐をかいているとは思ってあげないでください(笑)
この利便性はさらに向上し近い将来、不動産営業というのはこんな感じになるようです。
びっくりです。。。
チラシ作成も印刷もアウトソーシングして、案内まで営業マンの同伴なく無人になるんですよ。このシステムさえあれば、顧客の一括管理や、市場動向、相場の適切な改定まであらゆるデータも利用できます。お客様にもインターネットで物件情報を収集して、タブレットに保存し勝手に物件を見に行って、気に入った物件があれば契約する。重要事項説明や契約も前にブログに書いたようにスカイプで出来るようになるとしたら・・・もう人なんてほとんど要りませんね(泣)
不動産営業もうかうかしてると、ロボットとコンピューターにすべて仕事を持っていかれる勢いです。人間でしかできないことの付加価値や、コンピューターには決して出来ない心の部分のサービスの向上を目指さないと、本当に営業マン不要の時代に突入しそうです。