新築マンション販売と仲介営業の違い

不動産の営業マンと一括りに言っても、色々な業種があります。

中でも似て非なるものがよく新築マンションのモデルルームなどにいる新築営業マンと○友不動産販売や三○のリハ○スなどにいる仲介営業マンです。お客様からすると不動産を買うという時にどちらも担当としてついてくるので同じように思われがちですが、全く人種が違います。

しかも、同じ会社でこの「新築営業部門」と「仲介営業部門」があると、必ずと言っていいほど仲が悪いですね(笑)新築営業マンは仲介営業マンの事を下に見ており、我らこそが華形営業だと思っています。「仲介営業のやつらは、新築物件を売らせてもらえない落ちこぼれだ。俺らは新築物件を売れるエリートだぞ！」と思っています。また仲介営業マンは「新築営業マンは同じものしか売れない。色々な物件が扱えるし、俺らの方がスキルがある！あんな新築営業なんて潰しが効かないボンクラばっかりや！」と思っています。

まあ、どんぐりの背比べですけどね(笑)

まあ社内対立はともかく、仕事が全く違うのも事実です。

モデルルームでの営業マンは、そのモデルルームの物件しか売れません。

例えば、その分譲マンションを担当しモデルルームに常駐し５０戸しか戸数がないマンションだとそこに常駐している営業マン同士物件の食い合いをします。他の営業マンが契約すれば、目の前のお皿の饅頭が一つ減る訳で、バックヤードの事務所は常にピリピリムードです。担当物件が気に入らないからといって、他社の分譲マンションを薦めることなど出来ません。事業主はまさにその物件を売るためだけに広告をしモデルルームを建設し、その他莫大な広告費を使って集客していますので、その販売会社の営業マンがたとえ他社物件を成約させて手数料が入るからといって、そんなことをすると事業主の逆鱗に触れ一瞬で首です(笑)

このあたりが仲介営業マンと決定的に違うところです。仲介の売物は市場に売りに出ている物件すべてですから、お客様が気に入らなければ次々と他の物件を紹介していくことが出来ます。結局、どの物件でも決って手数料が入ればそれで良いわけですからね。お客様は他の会社で他の営業マンから物件を買わない限り、永遠にお客様として「生き続けます」。

新築営業マンはある意味窮屈ですよ。

担当物件を売るしかありませんから来場したお客様には徹底的にアプローチします。

ご説明するためのアプローチブックも、マンション近隣の美味しいお店や人気の病院その評判など、チームでかなり細かなところまで作りこんでますよ。お客様にどこを突っ込まれてもお答え出来るように、本番営業前のロールプレイングも何度も行い、上司にOKをもらわないとお客様の前に出させてもらえません。お客様が来場するとあの手この手でコミュニケーションをとり、成約への努力をするのです。

もし、他社が販売しているマンションと比較検討しているお客様がいると、そのマンションは自分たちは売れないのですから徹底的に潰します(笑)そりゃもう凄いです。あまり露骨に欠点ばかりを言うと、お客様は検討していて気には入ってるので、嫌がられますので、他社の物件は「２０％褒めて８０％貶す」という方法で蹴落とし、自社物件は「８０％褒めて２０％貶す」でリアリティを演出しながら、営業をしていくのです。それでも、他社の物件を気に入り、購入しようとするお客様は・・・・・

物騒な言い回しをしましたが、業界用語でお客様を「殺す」というのは「どの物件も買わさない」ということです。他決（他社の物件で決められること）なんてしたら、営業として最大の恥ですし、何しろ、上司にリアルに殺されますからね(笑)。他決される位なら、「１０貶して」その物件を潰し、「そもそもあなたが不動産を買うことは、将来損します」位まで洗脳して、一生不動産を買えない位話をしますね。これが「悪魔の負のクロージング」です。「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」ですよ(笑)

言葉尻は常に優しいですが、新築マンションの営業マンはこんな気持ちで背水の陣で接客しているのです。ですから、冷やかしでモデルルーム行って「アンケートを書かない」なんていう残酷な仕打ちはやめてあげてくださいね。バックヤードで上司にションベンちびる程、怒られてますので(笑)