仲介手数料の定額化について
ぐっと冬が近づいて来ましたね。僕は寒くなると無性におでんが食べたくなります。
若い頃はおでんの美味しさが解らず「こんなもんおかずにもならんわ!」と思っていましたが、歳なんですかね。お家で焼酎のお湯割りを飲みながら妻の作ったおでんをチマチマ食べてる時が至福の時間ですが、皆さんはいよいよ冬到来の時期、いかがお過ごしでしょうか?
さて、最近、ネットで不動産関連を何となく検索していると仲介手数料を20万円とか30万円とかの定額制を謳っている不動産会社が目立ち始めました。大手に対抗している地元の元気のある仲介会社やベンチャー系の不動産会社などが新しい集客方法として打ち出しているのがほとんどでしょう。
別に仲介手数料は必ず「3%+6万円」を取らないといけないものではなくあくまで「上限」がそれなだけで安くする分には一向に問題ないのですが、個人的に思うのは不動産仲介会社は売上のほとんどが仲介手数料で構成されているわけで、それを下げるという事は血を抜いたり、命を削っているのと同じなので反対ですね。
そもそも、まともに仲介営業に専念し、売買をスムーズに行おうとすれば20万円の仲介手数料では絶対に赤字が出ますよね。借りにすべてが両直(売り手からも買い手からも手数料が入る事)で40万円になるとしても無理ですよ。。。
ではどうやって成り立っているのか?
企業のPR記事では「これからはIT集客の時代」とか「独自の集客システムで会員様に・・・」とか書いてますが、極論を言えば、人を雇わず、ただレインズと無料ポータルサイトに乗せるだけでしょう。
それで売れなければそれ以上の販促は行わず手離れ。。これの繰り返しかと思います。
別にこれが怠慢という事では無く、20万円ではそれ以上動きようがないのです。
新聞折り込みを入れるにしろSUMOやアットホームなどのネット広告を打つにしろ、結構お金がかかるものです。仲介業者は成功報酬なので、もしこれらの広告媒体を費用をかけてやったとしても、成約しなければ一銭のお金にもならず、広告費用は水の泡ですよ。そんな無駄な事をする会社は無いでしょう。
実際は「手数料定額」の謳い文句で売却物件の数をより多く集め、費用を使わずに数打てば当たる方式でやってるのでしょうね。
ですから、安いのには安いなりの理由があるのです。
いつかの記事にも書きましたが人間都合いいことだけをつまんで自分のいいように解釈するので、普通に正規手数料を取るちゃんと店舗を構えた不動産業者に「ネットで手数料定額でやってる不動産屋もあるからお前の所も手数料負けろ。」とか平気で言ってくるお客様が出てきます(泣)
掛けてる費用がそもそも違うっちゅーに。。。
一緒にしないで欲しいと言っても、お客様には解ってもらえないのでそういうお客様とは取引しません。
「どうぞ、そちらの不動産屋さんにお願いしてください。うちは正規手数料を頂いております。」
ときっぱり断ることにしております。
たぶん財閥系の不動産仲介業者も僕と同じスタンスでしょう。
まあ、手数料減額のような集客が悪いとは言いませんが、蛸が自分の足を食べるようなことは、長期スパンで見ると決して良くないですよ。。
まあ、大手も僕もいずれは時代の波に飲まれそうなのは解っているのですが、そこは不動産業者のプライドをもって最後まで悪あがきをしようと思っている所存です(笑)